看護師としてキャリアを重ねる中で、いずれ多くの人が向き合うことになる「仕事と家庭の両立」という大きなテーマ。この課題を乗り越えるためには、一人で抱え込むのではなく、まず家庭を一つのチームとして捉え、パートナーと協力体制を築くことが不可欠です。
その第一歩として、感情的な衝突を避けるためにも、家庭内での役割分担を事前に話し合っておくことが重要です。「どうして私ばかり」という不満が募る前に、お互いの状況を理解し合いましょう。もちろん、日によっては予定外の業務で「どうしても今日これだけお願い」と頼らざるを得ない場面もあるはずです。そんな時でも、相手への感謝の気持ちを言葉やささやかな形で示す気配りを忘れないことが、良好な関係を長続きさせる秘訣です。お互いが忙しい中で協力し合っていることを認識し、常に謙虚な気持ちで接することを心がけたいものです。
また、チームとして円滑に機能するためには、スケジュールの共有も欠かせません。「言ったはず」「聞いていない」といった些細なすれ違いが、思わぬトラブルの火種になることもあります。今ではスマートフォンアプリなどで簡単にお互いの予定を共有できるため、子どもの学校行事や自身の勤務シフトなどを入力し、家族全員がいつでも確認できる状態にしておくと、無用な衝突を避けられるでしょう。
そして、仕事と家庭の両立において最も大切にしてほしいのが、あなた自身の時間を確保することです。朝少し早く起きてウォーキングをする、夜に夫婦でお茶を飲みながら映画を観る、あるいはただゆっくりと眠る。どんな些細なことでも構いません。意識的に自分を労り、心に栄養を与える時間を作ることが、結果的に質の高い看護を続けるためのエネルギーになります。忙しい毎日の中では、夫婦二人の時間がつい後回しにされがちですが、揺るぎない家庭の土台を築くためにも、お互いを思いやる時間は非常に重要です。自分自身を大切にすることが、巡り巡って、家族全員の笑顔に繋がっていくはずです。